イグちゃんのぼうけん    25
 
「イグちゃん、ふーせんせいにおやつもらわなかったの?」
と、まあちゃんにきかれて、イグちゃんは、ふーさんにだまってでかけてきたことを、おもいだしました。「わぁ、そうだ。ふーさんにいってきます、っていってないんだった。しんぱいしてるかもしれないわ。」と、イグちゃんがいうので、まあちゃんは、ふーせんせいにでんわをすることにしました。
 ちょうどそのとき、トゥルルルーとでんわがなったので、まあちゃんはビックリしましたが、じゅわきをとって、「はぁい、もしもし。うん、わかった。いまね、おともだちがきているし、いいよ、ゆっくりしてきて。はい、わかった、じゃぁね。」といいました。「ちょうどでんわかけるときに、でんわがかかってくるとびっくりするよな。で、だれだったの?」と、けんくんがきいたので、「うん、おかあさんから、すこしおそくなるかもしれないって・・・。」とまあちゃんはこたえました。
 「さ、じゃあ、こんどこそ、ふーせんせいにでんわするよ。」とまあちゃんは、ピッポッパッポッピ、とでんわのボタンをおしました。
 トゥルルル〜、ちょうど、でんわをかけようとしていたふーさんは、ビックリしました。チクワとグリとモモもビックリして、まんまるのめになりました。にゃあさんに「ほら、はやくじゅわきとらなきゃ。」っていわれて、6回もトゥルルル〜といってから、やっと、ふーさんは、ドキドキしながら、じゅわきをとりました。

イグちゃんのぼうけん    26
 「はい、もしもし?どなた?」
 「もしもし、ふーせんせいですか?なんか、こえがへんみたいだけど、まちがえましたか?」
 「え?そのこえは、まあちゃん?」
 「うん、よかった。ふーせんせいだ、こんにちは。」
 「こんにちは。いまね、まあちゃんのおうちに、でんわしようとおもってたところなのよ。せんせいびっくりしちゃったから、へんなこえになって、ごめんね。で、どうしたの?」
 「あのね。イグちゃんが、ふーせんせいにだまって、おでかけしちゃったから、しんぱいしてるかもしれないって、それでね、わたしがでんわしてあげるね、っていったの。そしたらね、おかあさんが、でんわかけてきて、トゥルルル〜ってなって、わたしも、びっくりしたの。せんせいもいっしょだね。」
 「え?イグちゃんがって・・・まあちゃん、イグにあったの?どこであったの?」
 「イグちゃんなら、いま、うちにいるよ。バナナ、おいしいってパクパクたべてたよ。かわいいねぇ、イグちゃん。」
 「あらあらあら・・・まあちゃんのおうちにいるの?イグがいないのにきがついて、しんぱいしてさがしたけど、みつからないから、まあちゃんのおばあちゃんちのベイたちに、さがしてもらおうとおもっていたのよ。」
 「ふうん、ベイはね、イグちゃんをせなかにのせて、ここにつれてきたんだよ。えらいでしょ?」



来たばかりの頃のチクワ


        つづき