イグちゃんのぼうけん    27
「ふーせんせい、しんぱいしてたらしいよ。あとで、イグちゃんをむかえにくるからって、いってたよ。」と、でんわをきったまあちゃんがいいます。
「そうかぁ。やっぱり、だまってでかけちゃダメよね。こんどから、きをつけることにするわ。」と、イグちゃん。
「そういえば、イグちゃん、なにかききたいことがあったんじゃないのかい?」と、のんびりしたこえであーさんがいうので、イグちゃんは、みなみのしまのことをおもいだしました。
「うん、あのね。さっき、すてきなしまのゆめをみたの。おひさまがげんきよくてって、いっぱいおいしそうなおはなやくさがはえていて、おもしろいかたちのきがはえているの。いってみたいけれど、ばしょがわからないから、あーさんたちにおしえてもらおうって、おもってきたのよ。」
「ふむふむ、それは、きっといぐちゃんたちのなかまたちがいるしま、ずうっとみなみにあるしまのことみたいだね。」
「そこは、とおいの?いったら、ふーさんにあえなくなる?」
「そうだね。ふねかひこうきにのっていくほど、ずっととおいから、いっちゃったら、とうぶんふーさんには、あえないかもしれないね。」
「ふうん、やっぱりとおいのね。ベイが、いってたとおりね。みなみのしまへ、いってみたいけれど、ふーさんにあえないのはさみいしいからイヤだし、ふねもひこうきものったことがないから、こわいし・・・」

イグちゃんのぼうけん    28
 ちょっとしょんぼりしているイグちゃんをみて、かーさんが、「あ、そうだ、まあちゃん、にほんのちずをもってきてくれる?」といいました。
「え?ちず?なにするの?」といいながら、まあちゃんはちずをさがしにいきました。
「あぁ、なるほどな。かーさん、なかなかあたまいいな。」3ねんせいのけんくんは、かーさんが、ちずをどうするつもりかわかったようです。ポカン、としているゆうくんに、ちいさいこえでせつめいしていますが、1ねんせいのゆうくんには、まだ、よくわからないみたいです。
「あったよ。にほんにちず、ここにひろげるよ。」まあちゃんは、テーブルのまんなかにちずをおきました。
「みんな、よくみてごらん。にほんは、きたからみなみにずーっと、ながいでしょ?このうえのほう、ほっかいどうがきたなのよ。それで、ずーっとしたのほう、みなみのきゅうしゅうっていうしまがあって、ほら、ここがみんなのいまいるふくおかよ。」かーさんは、みじかいてで、ちずをさしながらせつめいします。
「そうか、おおきいけれど、きゅうしゅうもしまなのね。ほら、イグちゃん、ここもみなみのしまなのよ。」まあちゃんは、ニコニコして、イグちゃんをなでています。イグちゃんは、おとくいのまるいビックリ目で、ちずをみています。



来たばかりの頃のチクワ&イグ

     つづき