ペダリングの具体例

 「エリーゼのために」でのペダリングの例をご説明します。



その3



 さぁ、いよいよ後半、曲が盛り上がる部分ですね。ここには、Ped.の記号が書いて
ありますが、1〜4小節まで、離す記号が見あたりません。この場合は、はじめのPed.
で踏んだあと、2小節目のはじめの音を弾いた直後に、素早く踏み替えてください。
そうすれば、右手の和音のメロディーがうまく繋がります。4小節目の最後は、フレー
ズが終わるので、踏み替えではなく*の記号で離してから、5小節目のはじめで改めて
踏みます。
 この部分では、ペダルを踏むときの右手の和音の上にアクセント記号がありますか
ら、その1とは違って、打鍵と同時に踏むとより音が強調されます。

その4

 盛り上がりの部分の終わり付近、この楽譜の2小節目と3小節目では、8分休符の所にペダルを離す*の記号が書いてあります。2小節目の場合は、音の長さ分、指を鍵盤の上に置き、指を離したあとにペダルを離すと、響きだけが残った柔らかい感じに音を残せます。3小節目は、音にスタカートが付いているので、指を離すと同時に離してくださいね。
 次に、4小節目のはじめから、6小節の終わりまで長くペダルを踏みっぱなしにしますが、右手のメロディーが順次進行なので、音の濁りが気になるようなら、ペダルを浅く踏んで半ペダルの状態にするか、1小節ごとに軽く踏み替えると良いです。はっきり踏み替えてしまうと、せっかくのクレッシェンドとかすかな音の濁りの美しさが損なわれますから、半分くらいで踏み替えてくださいね。