1996年11月22日(金)曇り
高校生のKちゃん、今日は、練習してきていないらしく、しきりと無駄話を仕掛けてくる。最近、以前に比べれば、少しは家でも弾いている様子なので、ちょっと無駄話に付き合ってあげようと、物わかりの良い先生に変身したら、思わぬショックを受けてしまった。
流行の歌の話から、好きな芸能人の話題に移り、スマップの話になった。Kちゃんは、特にスマップが好きではないけれど、「まぁ、シンゴくんが好きかな。」と言う。他の生徒達も、たいていシンゴくんや仲居くんが好きだと聞いていたので、「何でかなぁ。先生は、やっぱりキムタクが良いと思うよ。」と言うと、「あぁ、キムタクはね、おばさん好みだからね。」・・・返す言葉もなく固まった私は、赤ペンをパタリと落としてしまった。私の反応を見て、言ったことの意味に気づいたKちゃんは、「まぁ、いいじゃん。好みは、人それぞれだよ。」と、慰めて(?)くれた。
いつも、生徒とお友達感覚で、幼稚園から高校生の子供達の気持ちが、よくわかるつもりでいたけれど、思わぬ所で世代の違いを感じてしまう出来事だった。それでもやっぱり、キムタクが良いなぁ、と思う私って、生徒から見ればおばさんで、私が物わかりの良い先生なのではなく、生徒達の方が、しょうがなく話に付き合ってくれているのかもしれないな、と思う。
今日の練習メニュー
スケール、ベートーベン 悲愴ソナタ第1楽章
ブラームス ハンガリー舞曲第2番